福岡県は酒蔵が50以上もある有数の酒どころってご存知ですか?その理由は酒造りに欠かすことができない良質の水と米があるからなんです。筑後、筑豊、北九州、福岡と各地でその蔵ならではの個性豊かな日本酒が造られています。ここでは酒蔵が解放される春の酒蔵開き情報や日本酒に合うおすすめ料理店そして、年に1回開催される日本酒スクールのご紹介をします。
福岡の日本酒とは?
福岡の日本酒ってなんで美味しいのでしょう?
良質の水と米が醸す美味しい日本酒
全国で有数の酒どころ福岡県。水は日本酒成分の約80%を締める大切な原料ですが、福岡県には九州最大の一級河川である筑後川をはじめ、豊富な伏流水に恵まれているんです。福岡県では軟水でミネラルを程よく含んだ水で酒造りが行われています。
そしてもう一つ日本酒造りに欠かすことのできない米。お酒を造るための米を酒米と言いますが、その中でも最高峰の酒米と言われる山田錦の生産量が福岡県はトップクラスなのです。山田錦は寒暖差の激しいところで育ちます。福岡県内で作付面積が1位なのが糸島市。
糸島地区は豊富な水があり、山から吹き下ろす風による適度な乾燥と、朝晩の寒暖差などの特徴によって良質の山田錦が作られています。
福岡県では自然の恵みを大切に50以上もある酒蔵が互いに切磋琢磨し丹精込めて多彩な酒造りに取り組んでいるからこそ美味しい日本酒が生まれているのです。
春の福岡酒蔵開き情報
酒蔵でいただく生まれたての「福岡の日本酒」=「福酒」
酒蔵開きで新酒を堪能しよう!
日本酒は収穫が終わる頃の獲れたての米を使い、酵母が程よく働く秋、冬の寒い時期に仕込みが行われます。仕込みが終わる頃に、無事に新酒ができたことをお披露目するために開催されるのが「蔵開き」ということで、蔵開きは2〜4月がメインシーズンと言っていいでしょう。
蔵によって内容はさまざまですが、日頃入ることができない酒蔵の中を見学できたり、新酒の飲み比べができたりと酒蔵開きならではの楽しみが満載です。一つの酒蔵だけではなく、地域の酒蔵が協力して蔵開きを開催するエリアもあります。出店や利き酒大会、抽選会なども企画されお祭りのように賑わいます。もちろん新酒の販売もありますのでこの機会に、生まれたての新酒をお土産にいかがでしょうか?
2024年福岡の酒蔵開きをご紹介します。
【2024】福岡 酒蔵 開きリスト
2月
浜地酒造(株)
2月3日(土)~3月3日(土) 土・日・祝 10:00~16:00
福岡市西区にある酒蔵です。2月〜3月の土・日・祝と長い期間蔵開きを行っているので毎週のように通う人も。2024年にはワイングラスでおいしい日本酒アワード2024 “プレミアム大吟醸部門” で「 九州大吟醸 薫酒」が金賞を受賞しています。
◾︎https://www.suginoya.co.jp/
(株)いそのさわ
2月10日(土)・11日(日)
・10日/10:00~16:00・11日/10:00~15:00
福岡県うきは市にある130年続く酒蔵。JRうきは駅から徒歩3分とアクセスもよく、地域の飲食店とのコラボや宿泊施設も紹介してくれる旅気分で参加できる蔵開きです。
◾︎https://isonosawa.com/
第30回 城島酒蔵びらき
参加蔵:筑紫の誉酒造(株)・(株)花の露・旭菊酒造(株)・瑞穂錦酒造(株)・比翼鶴酒造(株)・池亀酒造(株)・萬年亀酒蔵・(株)杜の蔵
2月17日(土)・18日(日)9:30~16:00
城島地区の8つの酒蔵が協賛し実施される九州最大級のお酒のイベントとして全国各地から日本酒好きが集います。メイン会場で行われる「城島の酒飲みくらべ」をはじめ、酒蔵を解放している蔵でも様々なイベントが行われます。イベント限定のシャトルバスで各蔵をめぐり新酒を味わうことができます。
◾︎http://nanbu-shoko.jp/sakagura/
(有)白糸酒蔵
2月24日(土)・25日(日)※ドライブスルー形式
酒米どころ糸島市の田んぼの中に位置する酒蔵。「田中六十五」は福岡のみならず関東でも人気の銘柄です。ドライブスルー形式の蔵開きは蔵見学などはなく、その名の通り車から降りることなくお酒を購入するスタイル。重さを気にしなくていいので買いだめができます。
◾︎http://www.shiraito.com/news/562/
勝屋酒造(名)
2月24日(土)・25日(日)10:00~16:00
宗像にある蔵元で「沖ノ島」の銘柄で親しまれています。蔵が位置する赤間宿は、かつて唐津街道の宿場町として栄え、今でも白壁や格子窓などの古き良き趣が残るエリア。蔵開きとともに赤間宿を散策しましょう。酒蔵開き後の4月から10月頃は蔵の中を見学することも可能です。
◾︎https://www.muna-tabi.jp/k006/010/060/33/20220129110353.html
石蔵酒造(株)
2月29日(木)・3月1日(金)14:00~20:00
福岡市内の唯一の酒蔵。蔵の中には結婚披露宴やライブなどもできるスペースがあります。
蔵開きは平日開催で20時までなので夜祭り的な雰囲気を体験できます。地元老舗の蒲鉾やお酒に合うスイーツ店もコラボしているので、スイーツ目当てもOKです。
◾︎https://www.ishikura-shuzou.co.jp/
3月
(株)喜多屋
3月2日(土)10:00~16:00
広い敷地では利き酒がずらり。焼酎蔵もあるので焼酎の利き酒も楽しめます。日本酒唎き酒大会に挑戦したり、空クジなしの特別抽選会はお得でおすすめです。インターナショナルワインチャレンジ(IWC)で金賞を受賞するなど世界的にも注目されている蔵のお酒を堪能できます。
◾︎https://www.kitaya.co.jp/
林龍平酒造場
3月3日(日)10:00~15:00
福岡県北東部にある小さなまち、京都郡(みやこぐん)みやこ町唯一の酒蔵です。蔵開きでは汲みたて原酒やたる酒、にごり酒などがチケット制で試飲できます。平成筑豊鉄道を利用するとチケット1枚の進呈などの特典もあり、軽食やおつまみの販売もあるのでゆっくり楽しむことができます。蔵開き限定ラベルの日本酒はお土産にも最適。
◾︎https://www.kusugiku.jp/
玉水酒造(資)
3月10日(日)10:00~16:00
毎年、3月の第2日曜日に蔵開きを開催している酒蔵です。福岡県みやま市の小さな蔵故に、ほとんどが地元で消費されているそう。代表銘柄の「玉水」、幻の酒米「神力」を復活し、醸したお酒「神力」などここでしか味わうことができない日本酒に出会えます。
◾︎https://tamamizushuzo.com/index.html
溝上酒造(株)
3月16日(土)・17日(日)10:00~16:00
代表銘柄「天心」は 知る人ぞ知る北九州の地酒として愛されている 日本酒です。
当日は出店があり蔵敷地内での立食での飲食ができる予定。①大蔵市民センター(大蔵バス停付近)②溝上酒造シャトルバス乗り場から20〜30分間隔でシャトルバスが運行されます。
◾︎https://sake-tenshin.co.jp/
第2回 CHIKUHOU蔵開き
・瑞穂菊酒造(株)・寒北斗酒造(株)・大里酒造(株)・梅ケ谷酒造(株)
3月23日(土)9:00~16:00
筑豊にある4つの蔵のお酒が飲み比べできる、1日限りのイベントです。スタンプラリーをして4蔵制覇すると「オリジナルおちょこ」がもらえたり、蔵開き限定の新酒の無料試飲や販売会が開催されます。
◾︎https://www.crossroadfukuoka.jp/event/14001
菊美人酒造(株)
3月23日(土)・24日(日)10:00~16:00
福岡県みやま市で289年続く酒蔵です。純米大吟醸、無濾過生原酒、しぼりたて・にごり新酒など試飲の数も多く、お酒に合う料理の出店や粕漬け、麹の販売も。六代蔵元の妻、加代さんが柳川の詩人「北原白秋」の実姉にあたることから、当日は白秋の書画も見学できます。
◾︎https://kikubijin.co.jp/
旭菊酒造(株)
3月31日(日)10:00~17:00
1900年から営む久留米市三瀦町の酒蔵。酒造りもひと段落したところで、蔵人も一緒に今年の酒造りの出来など語り合いながら、和気藹々楽しめる酒蔵びらきです。
◾︎https://asahikiku.jp/72184/
4月
大賀酒造(株)
4月6日(土)・7日(日)10:00~16:00
福岡県で一番古い酒蔵です。福岡市街から西鉄電車特急で13分の西鉄二日市駅へ。駅からは5分ほどとアクセス抜群です。 蔵で蒸すふわふわの酒まんじゅうは、出来上がりを並んで待つ人もいる人気の一品です。
◾︎https://www.ogashuzo.com/company/
(有)白糸酒造
4月13日(土)・14日(日)10:00~15:00※ドライブスルー形式
酒米どころ糸島市の田んぼの中に位置する酒蔵。「田中六十五」は福岡のみならず人気の銘柄です。ドライブスルー形式の蔵開きは蔵見学などはなく、その名の通り車から降りることなくお酒を購入するスタイル。重さを気にしなくていいので買いだめができます。
◾︎http://www.shiraito.com/news/562/
「たのしまる春まつり2024 蔵・花・食めぐり」
(株)若竹屋酒造場
4月13日(土)・14日(日)10:00~16:00
久留米市田主丸町で創業320年余の酒蔵。耳納連山で濾過されたミネラル豊富な水が若竹屋の良質な酒を造っています。蔵開きは田主丸の東部エリアの春まつりとして開催されます。
この日は一年に一度の若竹屋酒造場「日本酒」、紅乙女耳納蒸留所「焼酎」、㈱巨峰ワイン「ワイン」3つの蔵元が蔵開きを同時に開催されます。
◾︎https://welcome-kurume.com/events/detail/2f7691d5-fc2e-4713-a5d1-90641f6e1b76
「くらの細道きっぷ」
(株)山口酒造場・山の壽酒造(株)・(株)みいの寿・研醸㈱
4月20日(土)・21日(日)10:00~16:00
西鉄電車との協力で甘木線沿線の久留米市北野町・三井郡大刀洗町ののどかな風景を眺めながら「庭のうぐいす」、「山の寿」、「三井の寿」、米焼酎「千年寝坊助」と実力派揃いの酒蔵をめぐることができます。
◾︎https://welcome-kurume.com/events/detail/b9b67803-90e4-4ed6-a5e7-2a013c44adf5
蔵開きに行く時の初心者さんへ〝ちょっと情報〟
①蔵の中を巡ったり、お酒が入って転んだりしないように歩きやすい靴で参加しましょう。②お猪口を持って巡ぐることや、お土産のお酒を買ったりするので両手が自由になるリュックなどがおすすめです。
③蔵開きは屋外で開催されることが多いので気温や天候を考えた服装で行きましょう。
④日本酒は和らぎ水(チェイサー)とともにいただくのが上手な飲み方です。水等は持参しましょう。
⑤ウェットティッシュやちょっとゴミを入れるビニール袋もあると便利です。
⑤携帯できる小さな椅子やちょっとした敷物があると役立つかもしれません。
福岡の日本酒が楽しめるおすすめ店
料理とのマリアージュを楽しもう♪
福岡県は食の宝庫、美味しい飲食店さんもたくさんありますよね。その中で今回は福岡の日本酒=福酒を楽しめる気軽に行ける和食のお店をご紹介します。
【九州郷土料理 蕨(わらび)】
博多駅に近く、九州の郷土料理を味わえるお店です。日本酒の種類も数多く、福酒の知識豊富な大将がお酒に合う料理を提供してくれます。リーズナブルでリピーターも多い人気のお店です。
■住所:福岡市博多区博多駅前2-7-3
■TEL: 092-481-1265
■営業:月~金 16:00~23:00(L.O. 料理:22:00/飲み物:22:30)、土・日・祝 16:00~22:00(L.O. 料理:21:00/飲み物:21:30)
■休日:不定休
■店舗詳細はこちらhttp://www.hakata-warabi.com/
【おさかなとおやさい一灯】
福岡市城南区別府の大通り沿いにあるお店ですがとても落ち着ける居酒屋さんです。店主の福田さんが各地を回り、地元の漁師さんから直接仕入れる天然の旬魚をいろいろな調理法で料理を提供してくれます。旬の料理と合う季節の日本酒もセレクトしてくれるので、迷った時は気軽に相談してみてください。
■住所:福岡市城南区別府3丁目17-4 エスパシオ別府
■TEL:092-407-0383
■営業:17:00~23:00(L.O. 料理:22:00/ドリンク:22:30)
■休日:不定休
■店舗詳細はこちらhttps://loco.yahoo.co.jp/place/g-Wd2umQz6AOg/
【博多酒場ソルリバ】
薬院駅近くの三角市場内にある、10席ほどのカウンターはいつも満席で賑わう人気のお店。お刺身や乾きものもありますが、店内にかおり漂うおでんも日本酒によくあいます。韓国など海外から日本酒を求めて訪れるお客さんも多い博多酒場です。
■住所:福岡市中央区渡辺通二丁目3-32三角市場内
■TEL:090-1367-6031
■営業:平日18:00〜25:00土曜日15:00〜25:00日曜日、祝日15:00〜23:00
■ 休日:不定休
■店舗詳細はこちらhttps://www.instagram.com/hakata_solriva2018/
【酒邸 吟乃香】
福岡県八女市で福岡県産の食材を贅沢に使った旬の料理と、地酒である喜多屋自慢の美酒を堪能できる酒邸。築百年の木造家屋を改装した店内は古き良き日本建築をそのままに、中庭では春には桜、夏には紫陽花、秋には紅葉、 冬には椿と四季折々咲く花を愛でながら食事を楽しむことができる。
■住所:福岡県八女市本村1018-2
■TEL:0943-24-8199
■営業:11:30〜14:00(L.O.13:30)17:30〜22:00(L.O. 21:30)
※最終入店は20:00 ※夜はコースのみ。要前日予約となります。
■ 休日:火曜日
■店舗詳細はこちらhttps://yame.site/
蔵元から学べる日本酒の基礎スクール
「日本酒のことが知りたい」「お店でさらりと日本酒を注文したい」「日本酒の味の違いがわかる人になりたい」「一緒に日本酒を飲める友だちが欲しい」そんな“たい”がかなう学び場が2024年5月に開催されます。ここは蔵元から日本酒の基礎を直接学ぶことができるスクールです。詳しくはこちらへ
まとめ
ここでは福岡の蔵開き情報、福岡の日本酒が美味しいお店、そして日本酒の基礎を学べるスクールの情報を紹介しました。海外では、日本食の人気や日本文化への興味の高まりなどが影響して、日本酒の需要が拡大しています。ですが日本国内は消費量が縮小傾向にあります。日本の文化を大切にしたいという思いから、日本酒の楽しみ方や魅力、可能性を発信し、日本酒ファンを増やしていきたいと思っています。
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